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COFFEE BREAK
世界のコーヒー-World-
Vol.17 アメリカ:フィッシュ・ケーキ(fishcake)
カカアコの倉庫街が熱い!お洒落家具ショップのカフェ。
Vol.17 アメリカ:フィッシュ・ケーキ(fishcake) www.fishcake.us カカアコにお店を構えて8年になる「フィッシュ・ケーキ」は、インテリアデザイナーのマウラ・フジワラ氏がオーナーを勤める家具ショップ。この場所にお店を構える前の候補となっていたのが「フィッシュ・ケーキ=かまぼこ」の工場であったことが店名の由来だ。現在のお店も以前は工場だったという。むき出しになった空調設備をアルミ箔でおおったり、工場時代から引き継いだ扉を粗く磨いたりすることで、あえてユーズド感を演出するリノベートが施されている。店内に置かれた家具や雑貨は、建物全体の雰囲気にも共通する人の手のぬくもりが感じられる商品ばかりだ。
「できるだけロコ(地元民)のアーティストが手掛けたものを店内に並べているの」と、マネージャーのナオミ・タガさん。隣接する建物にはインテリアや建築デザイナーが常駐するオフィスがあり、客の要望に合わせてインテリアデザインを行うなど、クリエイティブな雰囲気が充満していた。
この店内の一角に、高級住宅地・マノアで行列のできるカフェとして評判を集めた有名店「モーニング・グラス・コーヒー」がオープンしたのは、昨年8月。現地のみならず日本のマスメディアからも注目を集めた。カウンターがひとつあるだけのこじんまりしたスペースだが、ペストリーの種類は充実し、コーヒーをドリッパーに3分間半キープさせて味わいを深めるモーニング・グラスの流儀も健在。
そして注目すべきは1.5坪ほどしかないであろう、この空間を巧みに使ったインテリアだ。天井から吊るされた装飾は、店内でむき出しになったままの白いパイプと連動したような動きを見せ、シックな存在感を見せている。
「家具ショップだと思って訪れたお客様は『え!? カフェもあるの?』ってびっくりするわよ」とナオミさんが嬉しそうに話す理由は、このお店が、ただモノを販売するにとどまらない目標を掲げていることにある。「うちは大型量販店とは違う。他の店では見たことがない『何なの、コレ!?』っていうようなユニークな商品を通してお客様に驚きを与えたり、コーヒー1杯を通してリラックスするひとときを提供したり。この空間を使って、人の五感に訴えかけることが私たちのモットーなの」。
一歩、外に出れば工場や倉庫が立ち並ぶ産業地帯。そんなことを忘れてしまうほど、店内がおおらかでゆったりした雰囲気に満たされている理由は、オーナーを筆頭に、デザインのエキスパートたちが心地良い空間をデザインしているからだ。