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COFFEE BREAK
世界のコーヒー-World-
生産者が誇りをもって栽培できるように オランダ:ボッカ、トラボッカ
生産者が誇りをもって栽培できるように。
Vol.105 オランダ:ボッカ(Bocca)・トラボッカ(Trabocca) www.bocca.nlwww.trabocca.com
カフェ、ショップ、そしてコーヒースクールを併設した「ボッカ」のオーナー、メノー・シモンズさんが、趣味で自家焙煎をはじめたのは2001年。翌年に「ボッカ」をオープンし、2003年には、ハイエンドの生豆の卸業社「トラボッカ」を設立した。現在は、アフリカやアメリカにも事業所を構え、スタッフ総数は70人以上。10カ国以上の原産国から買い入れた高品質の生豆を、世界各国に卸している。
シモンズさんが、大規模なビジネス展開にこだわるのには理由がある。「私が目指すのは、真にサスティナブルで、公正公平かつ透明なコーヒービジネス。それを実現するには、大きな規模である必要がありました」
エチオピアのイエルガチェフェ地方の豆は、シモンズさんが力を入れている商品のひとつだ。「コーヒーのシャンパン地域」と異名をとるほどの最高品種の産地だが、その収穫量は、過去20年で3分の1に減少していた。それまでの不当な産業形態から、コーヒー栽培をやめる農家が相次いだのだ。シモンズさんはまず現地の人々に働きかけ、農家が株主である株式会社を設立した。環境に負荷を与えない肥料や栽培方法などの技術提供を行い、苗木当たりの収穫量を倍増させて持続可能な生産の基盤を確立。豆の選別器など設備投資をして品質も向上した。そして生産者に対して、継続的な買い取りを確約してビジネスを続けている。
「キロ単価はそれまでの倍にしました。収穫量も倍増したため、農家の収入は以前の四倍になりました。搾取目当てで産地にビジネスを持ちかける実業家が多い中、私たちは、彼らとの約束を確実に実行していくことで、信頼関係を築いてきました。一番嬉しかったのは、生産者の口コミで次々と参加希望者が増えていったこと。誇りを持ってコーヒー栽培をする彼らと共に働くことこそ、私のビジネスの目的です」
シモンズさんは現在、ケニアでも同様の産地活性プロジェクトを牽引している。
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