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COFFEE BREAK
文化-Culture-
コーヒー歴史トリビア・クイズ
謎めいているからおもしろい!コーヒー歴史トリビア・クイズ
〈アメリカ開拓民とコーヒー編〉
Question1
コーヒーがニューヨークで広まる前、ニューヨーカーたちが朝食のときに飲んでいた主な飲み物とは、次の3つのうちどれ?
a 紅茶
b ココア
c ビール
Answer1 c ビール
ニューヨーク(ニューアムステルダム)を開拓したのはオランダ人。彼らが本国の習慣を守って朝食のときに飲んでいたのはビール。ニューヨークがオランダ領だった時代(1624〜1664年)にコーヒーがオランダから輸入された可能性があるという。本国オランダのアムステルダム市場では1640年にはコーヒーが売られていたとわかっていることが根拠だ。朝っぱらからアルコール飲料(ビール)を飲んでいた人々がカフェイン(コーヒー)を摂るようになったときの目覚めの激変は想像するに余りある。1674年にニューヨークがイギリスに降伏すると、この街にもイギリスの習慣が広まり、朝食の飲み物は、まず紅茶、次いでコーヒーという順番になる。
Question2
18世紀後半、ニューヨークを代表する老舗「マーチャンツ・コーヒーハウス」が初めて作成した、当時のコーヒーハウスの役割がよく表れたものとは?
Answer2 ニューヨークの紳士録
1737年頃ウォール街とウォーター通りの交わる角に創業した「マーチャンツ・コーヒーハウス」は1804年に火事で焼失するまで幾度も歴史的な出来事の舞台となった。イギリスの統治下には拿捕船舶の売却会場にもなった。独立戦争前夜には住民大会が開かれた。戦後、オーナーになったコーネリアス・ブラッドフォードという人物が戦場や疎開地からニューヨークに帰ってきた人々の名簿を作成するべく次のような告知を打った。〈紳士方、今この街のいずれに住むや。氏名と住所を掲載す〉
Question3
ニューヨークで最初のコーヒーハウスが開業した頃、その場の利用目的として最も重要だったのは次の4つのうちどれ?
a 政治論争
b 商談
c 縁談
d 芸術批評
Answer3 b 商談
ロンドンやパリなどヨーロッパの都市の場合と同様に、ニューヨークの初期のコーヒーハウスは商業、政治、社交の中心だった。なかでも重要だったのは商談の場としての役割。この街のコーヒー文化黎明期を代表する店「キングズ・アームズ」の1階の大広間には壁際に仕切りとカーテンのついた席が設けられ、顧客は人目を気にすることなく商談に集中することができた。当時のもうひとつの社交場である居酒屋にも少人数グループ用の小部屋があったが、こちらは一見客が社交に使うことが多く、商談はもっぱらコーヒーハウスのほうで行われたという。ビジネスの話にはビールよりもコーヒーのほうが良かったということかも?
Question4
1740年にフィラデルフィアで「副業として」コーヒーの小売販売を行っていたことがわかっているアメリカ史上の人物とは?
Answer4 ベンジャミン・フランクリン
現在のアメリカの100ドル紙幣にその肖像画が描かれているベンジャミン・フランクリンは、政治家、外交家、著述家、気象学者(雷雲の下で凧揚げした話は有名)など多彩な顔を持つ人物だが、その出発点は印刷出版業だった。彼が副業としてコーヒーの小売販売を行ったのは1740年というから、フィラデルフィアを建設したウィリアム・ペンが自分用のコーヒー豆をニューヨークで調達した記録が残る1683年(これがペンシルベニアへの初めてのコーヒーの持ち込みと言われる)から57年後のこと。小売に手を出すくらいだから、フランクリン本人も相当なコーヒー好きだったのだろうか。だとしたら、彼の異才をコーヒーの効用が引き出した部分もあるかもしれない。
Question5
前出の「マーチャンツ・コーヒーハウス」の栄光が頂点に達した1789年の歴史的イベントとは?
Answer5 ジョージ・ワシントンの歓迎セレモニー
1789年4月23日、アメリカ合衆国初代大統領として選出されたばかりのジョージ・ワシントンはこのコーヒーハウスで行われた公式の歓迎式典に招かれた。迎える側は州知事、市長、その他の中小都市の役人たちであった。このことは、当時のコーヒーハウスの役割が、現在の日本でいうと東京都庁、いや、国会議事堂くらいの重要度だったことを表している。ちなみに1906年にインスタントコーヒーの特許を取得し、製品化した人物の名もまたジョージ・ワシントン。偶然の一致とは思えない?!
Question6
アメリカ独立戦争が激化するなか、品薄になり、高騰したコーヒーを溜め込んで暴利を得ていた者を糾弾する行動を女性たちが起こしたのはどの町でのこと?
a ニューヨーク
b サンフランシスコ
c ボストン
d フィラデルフィア
Answer6 c ボストン
1777年にボストンで起こったその行動「コーヒーパーティ」のことを、アビゲイル・アダムズは後に第2代アメリカ合衆国大統領になる夫ジョン・アダムズに宛てた手紙のなかで次のように述べている。〈砂糖やコーヒーなどがたいそう不足しています。我慢できないことにこの深刻な品不足は、商人たちが大量の品物を隠してしまったからだそうです。ある強欲な商人は大樽いっぱいのコーヒーを店に持っていながら、ポンド六シリング以下では売らないと言っているそうです。大勢の女性たちが集まって、荷車を持って商人の倉庫に押しかけ倉庫の鍵を要求しました。商人は観念して鍵を差し出しました......〉