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COFFEE BREAK
健康-Health-
コーヒーが抑うつ状態になるリスクを軽減する?
もちろん、不調を感じたら早めに専門家に相談することが大切ですが、日常にコーヒーを取り入れると、抑うつ状態になるリスクを軽減させることがわかってきました。コーヒーがもたらす、心身への影響をひも解いてみましょう。
教えてくれたのは...... 中田 光紀さん
国際医療福祉大学大学院教授、赤坂心理・医療福祉マネジメント学部長。医学博士。睡眠医学、ストレス・メンタルヘルス研究、精神神経内分泌免疫学、労働時間・過重労働の健康影響、喫煙・受動喫煙の健康影響、 ポジティブ・サイコロジー、ウェルビーイング等が専門。コーヒーとメンタルヘルスの関係や免疫系との関係についても研究を行う。うつ病、抑うつ状態とは?
中田先生 気分が落ち込んでいることを自覚したら、適切な治療を早めに受ける必要がありますが、日常にコーヒーを飲むことによって、抑うつ状態になるリスクが軽減すると考えられています。
①抑うつ状態とは
ストレスや睡眠不足などにより、心身が疲れた状態が続くと、脳内の神経伝達物質の働きが弱まります。なかでも、精神の安定ややる気に影響する「セロトニン」や「ノルアドレナリン」といった神経伝達物質がうまく機能しなくなると、 抑うつ状態に陥りやすくなると考えられています。 また、ストレスや睡眠不足、疲労により、体内の軽微な慢性炎症が気分の落ち込み、意欲や食欲の低下、睡眠リズムの異常、倦怠感など助長し、抑うつ状態を長引かせます。 この状態が続いて悪化すると、うつ病になりやすくなります。
②抑うつ状態に陥ることを防ごう
うつ病の治療は、休養や薬物治療、精神療法が基本。悪化すると、もとの状態に戻るのにとても時間がかかるため、日頃から十分に休養や睡眠を取り、心身の健康を保って、発症自体を予防することが重要です。
中田先生 うつ病の治療にはある程度の期間が必要になるため、抑うつ状態に陥ることを防ぐことが何より大切です。
コーヒーが抑うつ状態になるリスクを軽減する2つの理由
コーヒーが抑うつ状態になるリスクを軽減するといわれる理由は、含まれる成分と香りにあります。
①クロロゲン酸が活性酸素の発生と働きを抑えるから
コーヒーに豊富に含まれるクロロゲン酸。世界2大ポリフェノールの一つで、経口摂取をすることで消化管から吸収され、抗酸化作用によって、血中の活性酸素の発生と働きを抑制することがわかっています。 また、万病の元になる、軽微な慢性炎症を抑制する効果があることも知られています。活性酸素の増加は、がんや生活習慣病などを引き起こし、老化や抑うつ状態の原因になるといわれています。
中田先生 コーヒーを適量に摂取することは、抑うつ状態になるリスクを軽減するといえるでしょう。
②香りがα波を発生させるから
コーヒーの香りを嗅ぐことで、リラックスを促進するα波が、脳から活発に放出されます。 さらに、取り組んでいる作業から一旦離れて、豆を挽いたりお湯を沸かしたり、コーヒーを淹れる行為そのものを楽しむこともリラックスの時間となるでしょう。
中田先生 コーヒーを淹れる際には、じっくりと香りを堪能しましょう。心身ともに落ち着いて、ゆっくりと穏やかな気持ちで過ごせる時間にできると良いですね。デカフェの豆でも香りを楽しむことができますよ。
おすすめの飲み方
中田先生の研究では、一日に2〜3杯のコーヒーを飲むことによって軽度抑うつのリスクが低下するという、コーヒーと抑うつの関連が認められました。 また、朝のコーヒー摂取が、軽度抑うつリスクの低下と関連することも、研究結果に表れています。
中田先生 朝はぜひ、一杯のコーヒーからスタートを。空間や会話も楽しむことができると、なお良いでしょう。ただし、遅い時間に飲み過ぎると眠れなくなってしまうので、飲む時間を選びましょう。
- 一日あたりコーヒーカップ2〜3杯を目安に飲む
- 朝〜昼にかけて飲む
- できれば空間や会話も楽しむ
コーヒーを生活に取り入れるときの注意点
コーヒーの摂取量が多くなリ過ぎると、カフェイン過多となり、頭痛や不眠などを引き起こす可能性があります。コーヒーカップ2〜3杯のコーヒーを、日中に取り入れましょう。 抑うつ状態の人は睡眠障害を伴うケースも多いため、夕方以降はデカフェにするという選択肢もあります。香り高いフレッシュなコーヒーを、ゆっくりと味わいましょう。
- 節度のある量を日中に飲む
- デカフェも選択肢に入れる
- 香り高いフレッシュなコーヒーを飲む
まとめ
- うつ病の治療には時間がかかるため、抑うつ状態に陥るのを防ぐことが重要
- コーヒーにはクロロゲン酸が多く含まれ、抑うつ状態になるリスクを軽減する効果があると考えられる
- コーヒーの香りはα波を発生させ、リラックス効果がある
- 一日に2〜3杯のコーヒーを飲むことと、朝にも取り入れることが抑うつのリスク低下につながる
- カフェイン過多を防ぐために適量を心がけ、デカフェも選択肢に入れる
- 香り高いフレッシュなコーヒーを飲む